貸付金や借入金は、短期だけではなく長期にわたるケースが多くあります。
この場合、短期は流動資産・負債で処理し、長期は固定資産・負債で処理します。
このうち、長期のものについては次年度にどの程度入金または支払があるかわかると便利です。
そのために新基準では、次年度中に入金又は支払が予定されている長期のものを固定資産・負債から分けて流動資産・負債に表示することにしました。
なお、流動資産・負債に振り替えても、その科目は非資金であることには変わりはありません。
設備資金借入金の仕訳例を示します。
【仕訳例】
@決算にあたり、[4001 設備資金借入金]のうち、翌年度返済予定額1,000,000円を振り替えた。
借 方 |
貸 方 |
摘 要 |
4001 |
設備資金借入金 |
1,000,000 |
3031 |
1年以内返済予定設備資金借入金 |
1,000,000 |
1年以内返済予定分を振り替える |
(資金に無関係ですから、[関連なし]で仕訳します。)
A予定通り[4001 設備資金借入金]1,000,000円を返済した。
借 方 |
貸 方 |
摘 要 |
4001 |
設備資金借入金 |
1,000,000 |
|
預金 |
1,000,000 |
|
B決算にあたり、[4001 設備資金借入金]のうち、前年度返済予定額1,000,000円を戻し、新たに翌年度返済予定額1,000,000円を振り替えた。
借 方 |
貸 方 |
摘 要 |
3031 |
1年以内返済予定設備資金借入金 |
1,000,000 |
4001 |
設備資金借入金 |
1,000,000 |
|
4001 |
設備資金借入金 |
1,000,000 |
3031 |
1年以内返済予定設備資金借入金 |
1,000,000 |
1年以内返済予定分を振り替える |
(資金に無関係ですから、[関連なし]で仕訳します。)
ワンイヤー・ルールで使用する勘定科目は、資金ではありません。従って、[支払資金残高=(流動資産−流動負債)]を計算する場合、その流動資産や流動負債からは除くことになります。