「償却原価法」とは、投資有価証券のうち満期(償還)まで保有する国債等について、購入金額と額面(償還価額=戻ってくる金額)の差額を受取利息として考えて、保有期間にわたり毎年規則的に配分する方法です。
簡単に言うと、買った金額と満期に戻ってくる金額との差額を、満期までの期間に配分する方法です。
【仕訳例】
@平成27年10月1日に額面100万円の国債を、102万円で購入した。満期日は、平成29年9月30日である。
購入時(平成27年10月1日)の仕訳
借 方 |
貸 方 |
摘 要 |
2241 |
投資有価証券 |
1,020,000 |
102 |
預金 |
1,020,000 |
国債を購入 |
A平成28年3月決算にあたり、半年分5,000円を受取利息に振り替える。
(102万円−100万円)×6ヶ月/24ヶ月=5,000円)
借 方 |
貸 方 |
摘 要 |
21201 |
受取利息配当金 |
5,000 |
2241 |
投資有価証券 |
5,000 |
償却原価法により受取利息計上 |
このときの、投資有価証券の帳簿価額は、1,015,000円になります。
なお、受取利息配当金は、通常の仕訳では貸方ですが、この場合借方になります。
B平成29年3月決算にあたり、1年分10,000円を受取利息に振り替える。
(102万円−100万円)×12ヶ月/24ヶ月=10,000円)
借 方 |
貸 方 |
摘 要 |
21201 |
受取利息配当金 |
10,000 |
2241 |
投資有価証券 |
10,000 |
償却原価法により受取利息計上 |
このときの、投資有価証券の帳簿価額は、1,005,000円になります。
C平成29年9月30日(満期日)になり、額面1,000,000円で償還された。
(102万円−100万円)×6ヶ月/24ヶ月=5,000円)
借 方 |
貸 方 |
摘 要 |
102 |
預金 |
1,000,000 |
2241 |
投資有価証券 |
1,005,000 |
国債満期により額面で償還 |
21201 |
受取利息配当金 |
5,000 |
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償却原価法により受取利息計上 |