前年度末に計上した[3081 賞与引当金]の処理については、2通り考えられます。
@Aとも、年間では同じ結果になりますので、単純な@の方が良いと思います。
@ 期中は何もしないで、当年度の決算において精算する。
すなわち、貸借対照表における現在の金額を[30121 賞与引当金繰入](貸方=マイナス処理)で戻し、当年度末は新たに必要額を[30121 賞与引当金繰入](借方)で計上します。
【仕訳例】
借 方 |
貸 方 |
摘 要 |
3081 |
賞与引当金 |
120,000 |
30121 |
賞与引当金繰入 |
120,000 |
前年度計上の戻し |
30121 |
賞与引当金繰入 |
150,000 |
3081 |
賞与引当金 |
150,000 |
当年度分に対して引き当てる |
戻しも計上も同じ科目[30121 賞与引当金繰入]を使うことによって、純額で表示される差額法を採用したことと同じになります。
引き当てる必要額が貸借対照表の現在の残高と同額のケースは仕訳を省略することができます。
A 前年度末に計上した賞与引当金は、夏の賞与支給時に精算し、決算では新たに賞与引当金を計上する。
賞与支給時に、貸借対照表における現在の金額を[30121 賞与引当金繰入](貸方=マイナス処理)で戻し、当年度末は新たに必要額を[30121 賞与引当金繰入](借方)で計上します。
【仕訳例】
イ 賞与支給時
借 方 |
貸 方 |
摘 要 |
30111 |
職員賞与 |
130,000 |
|
預金 |
130,000 |
夏賞与支給 |
3081 |
賞与引当金 |
120,000 |
30121 |
賞与引当金繰入 |
120,000 |
前年度計上の戻し |
ロ 決算時
借 方 |
貸 方 |
摘 要 |
3081 |
賞与引当金繰入 |
135,000 |
3081 |
賞与引当金 |
135,000 |
当年度分に対して引き当てる |
処理の時期は異なりますが、戻しも計上も同じ科目[30121 賞与引当金繰入]を使うことによって、純額で表示される差額法を採用したことと同じになります。