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社会福祉法人会計基準Q&A(会計実践編)
4.5.3
減価償却について
4.5.3.1
減価償却方法の定率法の考え方を教えてください。
帳簿価額に一定率をかけて計算しますから、初めは減価償却費が大きく、一定の割合でだんだんその額が小さくなっていく減価償却の計算方法です。
最初は、その償却資産の影響で収入を得る効果が大きいだろうから減価償却費も大きく、使っていくとだんだん効果は落ちるし修繕費もかかってくるから減価償却費は小さくといった考え方によります。
4.5.3.2
減価償却方法の定率法と定額法ではどちらを採用すべきですか?
一般企業のように収益との対応からみれば、定率法の方があっているかもしれません。
社会福祉法人の場合は、
購入した物品額を所有期間に配分することが目的ですから、均等額で配分する定額法の方がいいと思います。
4.5.3.3
物品ごとに、定額法と定率法を好きなように使い分けてもいいですか?
建物や器具及び備品の勘定科目ごとに分けたり、事業内容が異なる拠点区分ごとに、理由を明確にして分ける事は考えられます。個々の物品毎に変えるのは、認められていません。
4.5.3.4
定額法と定率法以外の減価償却の方法を採用してもよいでしょうか?
生産高比例法とか、別の方法もありますが、新基準には定額法と定率法しか示してありませんし、敢えて他の方法を選択する積極的な理由はないでしょう。
4.5.3.5
建物について定率法を採用してもよいのでしょうか?
税法では、建物は定額法と決められています。
新基準で制限はしていませんので定率法を適用することもできますが、均等額で配分する定額法の方がいいと思います。
4.5.3.6
固定資産の残存価格は取得価額の10%としていいですか?
4.5.3.7
「平成19年度税制改正に伴う減価償却方法の変更」とはなんですか。
項目だけ紹介します。
1.償却可能限度額及び残存価額の廃止
>備忘価額の1円まで償却できるように改正されました。
2.定率法の計算方法の変更
>従来の定率法より早期償却できるように変更されました。
3.法定耐用年数の見直し
>機械及び装置の一部について短縮されました。
このうち、社会福祉法人に関係するものは、1だけと考えていただいて結構です。
4.5.3.8
償却資産の減価償却累計額の表示を、直接法で行っています。減価償却処理の仕訳を教えてください。
直接法は減価償却費を直接、固定資産の額から差し引きます。
例えば車輌運搬具なら、以下のような仕訳になります。
借 方 |
貸 方 |
摘 要 |
減価償却費 |
xxx |
車輌運搬具 |
xxx |
|
つまり、貸借対照表上の固定資産の価額は、帳簿価額が計上される事になります。
4.5.3.9
償却資産の減価償却累計額の表示を、間接法で行っています。減価償却処理の仕訳を教えてください。
直接法が原価償却費を直接、固定資産の額から差し引くのに対して、間接法は減価償却費を減価償却累計額を使用して表示します。
例えば、以下のような仕訳になります。
借 方 |
貸 方 |
摘 要 |
減価償却費 |
xxx |
減価償却累計額 |
xxx |
|
つまり、貸借対照表上の固定資産のには取得価額を計上し、経年における減価償却費の額を減価償却累計額へマイナス計上する事によって簿価を表示しています。
ただし、間接法であってもソフトウエアなどの無形固定資産の場合は異なりますので
こちらをご覧ください。
4.5.3.10
当法人は、有形固定資産の減価償却について間接法で行っていますが、ソフトウェアは異なると聞きました。
ソフトウエアの減価償却処理の仕訳を教えてください。
他の固定資産が間接法であっても、ソフトウエアなどの無形固定資産は直接法で処理してください。
すなわち、減価償却累計額を使わず直接固定資産の額から差し引きます。
【仕訳例】
借 方 |
貸 方 |
摘 要 |
減価償却費 |
1,000 |
ソフトウエア |
1,000 |
減価償却 |